undecided
第2章 ポルカ
次の日の三時間目は、音楽の授業でした。その授業では初めに発声練習として、先生のピアノの音色に合わせてみんなで校歌を歌うことになっていました。優斗は口を大きく開けて、聞き飽きた校歌を歌いながら、ピアノの前に座る五十歳くらいの男の先生をそっけなく眺めていました。
するとどうでしょうか、昨日の不思議な女の子のことが、頭の中にぽかんと浮かびました。そうしていると、音楽の先生よりも女の子の方が、ピアノの腕が優れているように感じられました。
授業が終わると、優斗は一番に先生のもとに駆け寄って、「先生、『レグルージュのもとに』という曲を知っていますか?」と質問しました。昨日、家に帰った後にお父さんに聞いてもお母さんに聞いても、そんな曲は知らないと言われたのでした。
先生も首を傾げて、「聞いたことがない曲だなぁ、作曲者は?」と言いました。
「ポルカという人です。女の人だそうです」
「ポルカ? どこの国の人?」
先生がそう言ったので、優斗はなんだかがっかりしてしまいました。そしてポルカの郷国を知らなかったので、「そこまではわかりません。どうもありがとうございました」と言って、あっさりと切り上げてしまいました。
放課後、優斗は音楽室で待ってみようと思いました。どうしてそう思ったかはわかりませんでした。ただ、どうしても、そうしなければならないように思えたのでした。昨日の女の子とまた話がしたかったのかもしれませんし、あるいはまた、女の子の演奏が聴きたかったのかもしれません。それに女の子名前を聞くことができなかったので、それも知りたいと思っていました。
ところが優斗が音楽室に向かうと、そこは吹奏楽部の人たちが今度の演奏会に向けて練習をしていたので、仕方なく教室が空くまでの間は、上の階の図書室で暇を潰すことにしました。
図書室を利用している生徒はあまりおらず、がらんとしていました。特に読みたい本もなかったので、ポルカのことが気になっていた優斗は、音楽に関する本を何冊か本棚から抜き出して、閲覧用の机の上に広げました。
するとどうでしょうか、昨日の不思議な女の子のことが、頭の中にぽかんと浮かびました。そうしていると、音楽の先生よりも女の子の方が、ピアノの腕が優れているように感じられました。
授業が終わると、優斗は一番に先生のもとに駆け寄って、「先生、『レグルージュのもとに』という曲を知っていますか?」と質問しました。昨日、家に帰った後にお父さんに聞いてもお母さんに聞いても、そんな曲は知らないと言われたのでした。
先生も首を傾げて、「聞いたことがない曲だなぁ、作曲者は?」と言いました。
「ポルカという人です。女の人だそうです」
「ポルカ? どこの国の人?」
先生がそう言ったので、優斗はなんだかがっかりしてしまいました。そしてポルカの郷国を知らなかったので、「そこまではわかりません。どうもありがとうございました」と言って、あっさりと切り上げてしまいました。
放課後、優斗は音楽室で待ってみようと思いました。どうしてそう思ったかはわかりませんでした。ただ、どうしても、そうしなければならないように思えたのでした。昨日の女の子とまた話がしたかったのかもしれませんし、あるいはまた、女の子の演奏が聴きたかったのかもしれません。それに女の子名前を聞くことができなかったので、それも知りたいと思っていました。
ところが優斗が音楽室に向かうと、そこは吹奏楽部の人たちが今度の演奏会に向けて練習をしていたので、仕方なく教室が空くまでの間は、上の階の図書室で暇を潰すことにしました。
図書室を利用している生徒はあまりおらず、がらんとしていました。特に読みたい本もなかったので、ポルカのことが気になっていた優斗は、音楽に関する本を何冊か本棚から抜き出して、閲覧用の机の上に広げました。