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恋のハードル高し!!(に)

第1章 予兆

意地悪く笑う含みのあるニヒルな逞は殆ど居なく、目が合うと微笑んでくれる逞に変わった。

薄々気がついていた『女の子扱い』を、最近では恥ずかしいくらい感じる。

混んでる車内では、私を良い位置に促してくれるし、いつも車道側を歩く逞と手を繋いで登校する様になって、細かい気遣いを特に感じた。

話に夢中になってる私の前に障害物があると手を引いて除けたりと、まぁ出来た男なのだ。

その上頭も良くて顔も良けりゃ、モテないはずがない。


そう思うと余計に緊張しちゃうっていうか、元々優しくて気の利く奴だったけど、彼女になってからされるとまた感じ方が違うっていうか……。


「ミラ?暑い?顔も耳もが赤い」


そう言って私の耳を触るから、くすぐったくてピクンと身体が跳ねた。

親雅に切られてベリーショートになった髪はまだまだ短くて、しっかり耳も出ていて触られるとゾクゾクする。

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