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悪魔と淫美な世界へ

第6章 ~揺さぶられる心~

 
 
 
食事が乗せられたらトレーを片手に、琉希は長い廊下を歩いていた。
 
 
 
 あのパーティーから、 魁様はまた寝室にこも ったきり…
 
 不満の声も更に高まっ てきていて、このまま では本当に反乱が起こ ってしまう可能性が… 
 
「琉希」
 
 
 
突然目の前に現れた黒胡に、琉希は動じる事なく中指で眼鏡を直した。
 
 
 
「あなたはもうこの城に 入れる立場ではないは ずです」
 
「今はね…
 お前が人間の食事を運 んでる姿は面白いね」 
「魁様のご命令なので
 私に何か用ですか?」 
「琉希、俺と手を組まな いか?
 人間の女に入れ込んで 周りが見えていない王 なんていらないだろう ?」
 
「お断りします
 王になった者のそばに いるのが私の務めです 」
 
「そう‥王になった者の そばね…
 
 俺を裏切った者が口に する言葉じゃないと思 うけど?
 
 まあ、魁に嫌気が差し たらいつでも来るとい い」
 
 
 
意味深な言葉を残し、黒胡は嫌な笑みを浮かべながらその場を去って行った。
 
その姿を見届けた琉希は、何事も無かったかの様にまた歩き始めた。
 
 
 
 前の魁様なら、黒胡様 の侵入を許さなかった のですが…
 
 そんなにも、あの人間 から離れたくないので しょうか…
 
 …それとも‥ただ気が ついていないだけだと したら…
 
 
 
 かなり問題です
 
 
 
琉希の目は更に鋭くなり、目の前にある寝室のドアを睨み付けた。
 
 
 
 
 
 

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