
悪魔と淫美な世界へ
第5章 ~魔界の王~
城の中へ入ると、古びた外見とは逆に中は綺麗で豪華なシャンデリアが目立つ。
見慣れない光景に、ゆきは落ち着かない様子でキョロキョロした。
「魁様、やっとお戻りに なったんですね」
「相変わらず凄い魔力だ 」
「あの女は人間かっ!? 」
何処からともなく様々な美形達が魁の元に集まり、ゆきを見てざわめき出した。
うわっ
みんなすごい美形っ
「魁様、人間が何故ここ にっ」
「まさか、あの人間が琉 希が言っていたっ?」
「人間界から連れてきた ゆきだ
俺の初めて愛した女だ
この意味‥分かるな? 」
魁の殺気がこもった鋭い目に、美形達は怯えた様子で息を呑んだ。
「琉希、湯を張れ」
「わかりました」
いつの間にか城に到着していた琉希は、動揺している他の悪魔達を気にする事無く広場を後にした。
「魁っ
戻って来たのねぇっ! 」
「最初はもちろん私よね っ?」
「なに言ってるのっ
私よっ!」
モデルの様にスタイルが良い美女達が、勢い良く階段を降りて来るなり魁に群がった。
綺麗な人達~
この人達も‥悪魔なん だよね…?
「悪いが、これからこの ゆきと寝室に行く」
「えっ‥人間っ!?」
「なんで人間の女が!? 」
美女達は嫉妬剥き出しで、魁の背に隠れていたゆきを睨み付けた。
「私達も入れない魁の寝 室に、何でその人間が っ?」
「納得できないわっ」
「じゃあ、美蘭と潤那の 様に城から追放するか ?」
「あ…それは…」
冷たく言い放つ魁に、美女達は大人しく魁から離れて行った。
「魁…あの人達は…?」
「セフレの様なものだ」
「えっ…!?」
「だが、今はもう必要な い
色々と邪魔が入ったが …ここなら誰にも邪魔 はさせない」
愛おしむ様な暖かな眼差しに、ゆきの胸は聞こえそうなくらい高鳴りだした。
「うん…」
