
悪魔と淫美な世界へ
第5章 ~魔界の王~
その後浴場に連れて行かれたゆきは、独りで広々とした湯船に浸かっていた。
ロウソクの灯りだけが湯船内を照らしていて、薄暗さと無音な所が怖さを演出させている。
こんな広いお風呂にわ たし1人なんて、すご い贅沢なんだけど…
でも、なんかちょっと 怖い…
その時、ドアの開く音が聞こえゆきは身を強ばらせた。
誰か入って来たっ!?
どうしようっ
怖くて体が動かないっ
湯船に誰かが入って来る気配を感じた直接、耳元に吐息が掛かった。
「ゆき…」
「きゃあぁぁっ!!
…って、魁!?」
「何をそんなに驚いてい る」
魁だとわかると、ゆきはホッとした様子で胸を撫で下ろした。
だが安心したのもつかの間、今度は恥ずかしさが込み上げてきて勢い良く首まで湯船に浸かった。
魁とお風呂なんて初め てでっ…
「もう俺の身体は見ただ ろう
まだ恥ずかしいのか? 」
「そうだけど…」
魁の唇が首筋に触れ、ゆきはそれに反応してビクッと肩が跳ねた。
「まだ何もしていないぞ ?」
まだってっ…
「わたしっ…のぼせちゃ うから先にっ…」
湯船から上がろうとした時、後ろから抱き締められて阻止されてしまった。
耳元に唇が寄せられ、甘い吐息にまた身体が反応した…
「逃げるな…」
「に‥逃げてなんか…」
少し強引に後ろを向かされ、そっと唇が重ねられる…
「んっ…」
こんな事されたら‥余 計のぼせちゃうかもっ …
舌が徐々に激しく絡み‥吐息と水の音がいらやしく響いた―――…
