
悪魔と淫美な世界へ
第5章 ~魔界の王~
倦怠感が身体を支配する中、ゆきはゆっくりと目を覚ました。
目の前には魁の寝顔があり、細いけど逞しい腕に抱かれている事に気が付いた。
わたし…途中で‥‥
あ…わたし…
もう処女じゃないんだ ‥‥
わたしの処女を欲しが ってた魁…
それを手に入れても‥ まだわたしを好き?
「ゆき…」
っ!?
「か、魁っ…起きてたの っ?」
いつの間にか目を覚ましていた魁に、ゆきは顔を赤くさせながらあたふたした。
「お前が目を覚ますのを 待っていた
気絶する程‥良かった のか?」
「えっ…そ‥それは…」
恥ずかしそうに目を逸らすゆきに、魁はいきなりその上に覆い被さった。
「あ…魁…?」
「まさかあれで終わりと 思ってないだろうな?
まだ‥お前を感じ足り ない…」
色っぽい眼差しがゆきを捉え、魁は既に付けた跡がある胸元に唇を寄せた…
「あっ…魁…」
「今度は‥気絶させない よう気をつけないとな …」
「魁っ…
…わたしの事‥‥まだ 好き…?」
「フッ…
お前は‥本当に愛を欲 しがるな…
そんなもの…愛してる に決まってる…」
その言葉と愛おしむ様な眼差しに、ゆきの不安は消え幸福感で満たされた。
「わたしもっ…魁の事が 好きっ」
「ああ
お前は‥前から俺の事 を想っていたな…
今は‥その気持ちが良 くわかる…」
「魁…」
誰にも邪魔されない2人だけの空間の中…
その想いを確かめる様に見つめ合い、ゆっくりと唇を重ねた―――‥‥
