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案内屋 〜アンナイヤ〜

第5章 きさらぎステーション 其ノ最終章

凛丸がゆっくりと語り出す。

「おじいさん。僕が今から聞く質問にしっかり答えて下さいね。」

「…?構わないが…?」

「どうしてここが村だと分かったんですか? この濃霧の中ではその様子はほとんど伺えない。僕はここに村があると知って来たからこそここが村だと認識できました。しかし貴方はここに村があるとは知らなかったはず。何も知らなければ此処は、村と認めるにも難がある。」

そうなのだ。廃墟があると言っても、村だと認識出来るほど沢山あるわけでは無い。

「そして、もう一つ。さっき お前さん"達" って言いましたね?どうして僕が誰かと此処まで来たことを知っているんですか?」

老父は俯く。
何も言葉が出ない。

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