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案内屋 〜アンナイヤ〜

第5章 きさらぎステーション 其ノ最終章

「尊い犠牲であった…!皆もまたこれが本望であろう!」

凛丸の怒りはこみ上げていく

「村人すら生贄にしたと!?そういうのか!アンタは!!」

神前はもう俯いたり黙ったりなどしなかった
既に覚悟は決めたと言わんばかりに不敵に笑いながら凛丸に嫌悪感を抱かせる

「もういいだろう…全部教えてやろう。」

突然部屋の四方に置かれたロウソクに火が点く

神前の服が霧に包まれ、それが晴れた時には神職の装いに変幻していた

「そうじゃ、あれはもう相当に昔の話。牛頭天ノ村が二つに分け隔てられた時。私は神前小次郎として牛頭村を治めた。また同じくして私の兄、神前進次郎が馬頭村を治めた。兄弟でこの二つの村を治めたのだ。そもそも何故分け隔てられたのか?その理由もっと単純じゃった。伝えられているような面倒な理由からでは無い。」

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