案内屋 〜アンナイヤ〜
第5章 きさらぎステーション 其ノ最終章
神前はゆっくりと貼り付けにされた渋谷に近付く
「村人の増加、それが問題じゃった。エタや非人と呼ばれた私達が生きるには人里離れたこの場で暮らすしか無い。だというのに村人はどんどん増加し、一つの村にまとまっていてはやっていけなくなった。故に、隣り村として新しく場所を作り、牛頭村と馬頭村に分けたのじゃ。」
神前の顔は険しくなる。
「しかし私はふと思ったのじゃよ。現世の人間の身勝手な差別のせいで生活を追われる、それはおかしな事だと。ならば私達をここまで追い詰めた奴らに何か仕返しをしてやりたい、と。復讐叶わずとも、何か訴えかけられれば、と。そこで私は兄に相談した、現世への復讐を。村一丸となって行動を起こす事を。
しかし兄はそれに反対した。兄は説いた、ここで緩やかに過ごしていくには現世と一切関わらないのが一番だと。兄はそう言ったが、それでは何も変わらないのだ!何も!」
「まさか…」
凛丸にはなんとなく想像がついてしまった。
「村人の増加、それが問題じゃった。エタや非人と呼ばれた私達が生きるには人里離れたこの場で暮らすしか無い。だというのに村人はどんどん増加し、一つの村にまとまっていてはやっていけなくなった。故に、隣り村として新しく場所を作り、牛頭村と馬頭村に分けたのじゃ。」
神前の顔は険しくなる。
「しかし私はふと思ったのじゃよ。現世の人間の身勝手な差別のせいで生活を追われる、それはおかしな事だと。ならば私達をここまで追い詰めた奴らに何か仕返しをしてやりたい、と。復讐叶わずとも、何か訴えかけられれば、と。そこで私は兄に相談した、現世への復讐を。村一丸となって行動を起こす事を。
しかし兄はそれに反対した。兄は説いた、ここで緩やかに過ごしていくには現世と一切関わらないのが一番だと。兄はそう言ったが、それでは何も変わらないのだ!何も!」
「まさか…」
凛丸にはなんとなく想像がついてしまった。