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案内屋 〜アンナイヤ〜

第6章 アライ ザ ほーむ 其ノ一

凛丸は答えに当惑する。

「…えっと…うーん、うん。確かにすごいよね。」
「だろぉ〜?なぁ、行こうぜここ!」

成瀬はまるで遊園地にでも行くような口調で誘ってきた

「えっ?」
「面白そうじゃん!行こうぜ!」

正直、リアルなオカルト世界の仕事をしている人間としてはそこを楽しむことなど出来ない。
凛丸は新井さん家への恐怖よりも、友人の身の心配をした。
数日前のきさらぎ駅に関する牛頭村、馬頭村の一件以来、多くのことを学んだ。
そういうところには楽しんで行ってはいけない、と。

「いや…やめとこうよ。」
「はぁ〜?だってお前、霊感あるんだろ?霊を退治出来るんだろ?中2の時、自信ありげに言ってたじゃないか。」

凛丸は昔のことを思い出し、急激に恥ずかしくなった

「あれは…!いわゆる厨二病というか…!あの…!もう!」
「なに恥ずかしがってんだよ?中学生ならそのくらいのトンデモ発想するって。」

凛丸は己の厨二病時代を今更になって呪った
右手には何か怪物的な力があって…とか、右目に封じ込められた呪いがあって…とか、「あの日からずっと俺の心には雨が降り続けている。」とか…
ありもしない架空の設定を本気でその気になっていた若かりし自分を恨んだ

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