案内屋 〜アンナイヤ〜
第6章 アライ ザ ほーむ 其ノ一
「…返せ…?」
凛丸は目の前の怪物に警戒しつつも推理した
自分達は何も盗んだりしていない。
何かを借りたはずもない。
だが、それが具体的な "物" に限らないとしたら?
「…ッ!!成瀬!!ケータイを捨てろ!!」
「えっ!?」
「いいから捨てるんだ早くしろ!!!!」
地味な凛丸が珍しくキレていることにも驚いたが、とにかく成瀬は言われた通りケータイを捨てた
同時に足が動くようになる。何かが自分の足を放したかのように。
「う…動ける…!」
「さぁ早く逃げよう!!」
凛丸は目の前の怪物に対してブレイドを振り下ろし、隙をつくる。
怯んだ怪物を背に凛丸と成瀬は走りだし、窓を突き破って外に出た