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案内屋 〜アンナイヤ〜

第2章 きさらぎステーション 其ノ二

渋谷は少し言うか言うまいか悩んだが、真剣な顔つきで話し出した。

「俺たちの仕事は、別次元に迷い込んだ人間をその次元からソイツがいるべき次元へと案内し連れ戻すこと。もしくは、希望に応じて別次元に行きたい、行かなきゃならない奴を別次元へと案内する。また、それによる次元の歪みの調査修正。それが俺たちの仕事だ。」

「は…?え…?どういう…こと…ですか?」

「要はこの次元と別次元の案内人だ。まぁその内分かるさ。」

そうであってくれ。その内であることを凛丸は望んだ。今ここで口頭説明されても理解し切れる範囲の問題では無い。
多分これは、口で説明されるより体験した方が分かりやすいんじゃないかと自覚した。
それと同時に、とんでもないことに、もう戻れない何かに手をつけてしまった不運な自分を恨んだ。

陽は落ち始めていた。



第二章 きさらぎステージ 其ノ二 完

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