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「でも…そんなことして、何になるっていうの…？」

鏡音は単純な疑問をぶつけた。
何故凛丸を狙ったのか？

疑問が飛び交う中、渋谷が口を開く。

「凛丸はもちろん、鏡音も知ってるよな？凛丸には幼少の頃の記憶が無いこと。現在の塔家に引き取られたところからの記憶しかないこと。それが気になって、この前温泉行った時に陣内さんと電話で話したんだ。」

渋谷が珍しく考えるような表情になっている。

「そしたらこう言ってた。"凛丸の記憶には、案内屋にとって都合の悪い記憶が含まれているんじゃないか？" って。凛丸の記憶が無いのも、採用後のメディカルチェックを見れば何者かによって意図して消された形跡が残っている。」


真実が、足音を立ててそこまで来ていた