案内屋 〜アンナイヤ〜
第9章 パラレル いん ざ ハイウェイ 其ノ一
「迷子なんているんですか?」
その日は晴天だった。
新井さんちと白い家の一件から二日後、陣内小雪は塔凛丸によって事務所のソファーで尋問を受けていた。
いや、受けていた というより、勝手に凛丸が陣内の前に座り、唐突にこの質問をぶつけてきた。
もう一度言う、本日晴天、6月、大安、今日もコーヒーとタバコが美味い。
面倒臭い質問である。極めて。
「あ…あー。そーだな…たまーにいるかな。」
陣内はボサボサの頭を掻き回しながら言葉を濁して答えた。
凛丸は不満そうな顔をしている。