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案内屋の事務所には今他に渋谷が居る。
渋谷はガラでも無く眼鏡をかけてパソコンで事務作業を淡々とこなしている。
普段は鏡音がやっている仕事だが、今日の鏡音はオフ。
代わりに渋谷が慣れないながらもやっている。

凛丸は相変わらず質問を続けた。

「陣内さん最初に言いましたよね？"異次元に迷い込んだ迷子を助ける仕事だ" って。今のところその気配が全く無いんですが。」

陣内は困った。
本当に面倒だ。これは説明が長くなる話だ。

「なんだよ、怒ってるのか？」

陣内はコーヒーをすする。

「別に怒ってはいませんが、なんだか案内屋としての"案内"の仕事の気配が微塵もしないなー、と。」

確かに凛丸の言う事はあっている。
ここ最近案内の仕事は来ない。
ほとんどがディメンショントラブルの解決である。