案内屋 〜アンナイヤ〜
第3章 きさらぎステーション 其ノ三
ここに着いてから恐らく一時間半は経っただろう。既に夕暮れだ。
いや、決して正確な時間を把握しているワケでは無いのだ。あくまで体感的な時間。感覚。
凛丸はおろか、渋谷すらもこの場所の異様な空気に飲まれ、恐れの余り腕時計さえ目に入らないのだ。
「…で、渋谷さん。実際調査って何をするんですか?」
凛丸は辺りを見回しながら言った
「…お、おう。そうだな、一つ説明しておこう。こういった俺たちが扱う事象、"ディメンショントラブル" (次元異常)が発生する場所には、何らかの原因がある。それは大きく分けて二つ、別次元とのゲートが偶然その場所に発生していた。又はそれを生じさせる原因があった。だ。」
「今回の件は、どっちかと言うとどちらなんですか?」
「後者だな。存在しない駅が望むことや何らかの力に誘われることで出現すること、牛頭という地域で追いかけくる牛の声。助けてやる、と騙し連れていく手法。どれを取っても人為的だ。ディメンショントラブルを生じさせている輩がいる。」
渋谷の話は余りにもぶっ飛んだ話しにも聞こえた。しかし目の前にそれを現実として受け止めなければならないどうしようもない状況に、凛丸は半ば諦めていた。
いや、決して正確な時間を把握しているワケでは無いのだ。あくまで体感的な時間。感覚。
凛丸はおろか、渋谷すらもこの場所の異様な空気に飲まれ、恐れの余り腕時計さえ目に入らないのだ。
「…で、渋谷さん。実際調査って何をするんですか?」
凛丸は辺りを見回しながら言った
「…お、おう。そうだな、一つ説明しておこう。こういった俺たちが扱う事象、"ディメンショントラブル" (次元異常)が発生する場所には、何らかの原因がある。それは大きく分けて二つ、別次元とのゲートが偶然その場所に発生していた。又はそれを生じさせる原因があった。だ。」
「今回の件は、どっちかと言うとどちらなんですか?」
「後者だな。存在しない駅が望むことや何らかの力に誘われることで出現すること、牛頭という地域で追いかけくる牛の声。助けてやる、と騙し連れていく手法。どれを取っても人為的だ。ディメンショントラブルを生じさせている輩がいる。」
渋谷の話は余りにもぶっ飛んだ話しにも聞こえた。しかし目の前にそれを現実として受け止めなければならないどうしようもない状況に、凛丸は半ば諦めていた。