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案内屋 〜アンナイヤ〜

第1章 きさらぎステーション 其ノ一

アルバイト募集には似てもつかぬ妙な条件だった。
「なんだそれ?ホラーの耐性は全然OKだし、2ちゃんも結構やるから別に大丈夫だけど、何故?」
その意味不明な内容のみが心残りだが、凛丸はとりあえず事務所へと向かうのだった。


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自宅を出て30分、繁華街に着いた。
とりあえずしののめビルとやらをしばらく探し回った。繁華街の商店と商店の隙間を縫って繁華街の奥まった場所にポツンと建つボロボロの三階建てビル
そのエントランスには、経過した時間により薄まった文字で「しののめビル」とあった。
いや、そこはもうビルというより廃屋。形こそ崩れてはいないがなんの業者も入らない、明らかなテナント不足のビル。
「なんで…こんな所に。はぁ…。繁華街だから見つけるのも簡単だろうって思ってたけど、予想以上に手間がかかるなぁ。」
凛丸はビルに入ることにした。
雰囲気は不気味で、ジメジメとした空気が漂う。
入ってすぐ、地下に続く階段を見つけた。

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