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案内屋 〜アンナイヤ〜

第1章 きさらぎステーション 其ノ一

鉄製の階段。一歩降りる度にカツーン、カツーンと音が響く。
ビルの地上階は無論、地下はさらにジメジメとした空気と不気味さが増す。
ヤバイところに来てしまった。凛丸はふと思ったが、ここまで来て引き返すのも勿体無い。せめてどんなバイトなのかその内容だけでも知ろう、その目的だけに足を動かした。

地下二階ほどまで降りたところで、凛丸の携帯電話が鳴った。相手は母親だった。

「母さん?どうしたの?」
「アンタが急に出て行くから、何かあるのかと思って。ましてやほぼ一ヶ月振りでしょ?」

こんなところに電波が届くものなのか、と
逆にそっちの方が気になったが通話を続けた。

「何でも無いよ母さん。ちょっと気になるバイトがあって、試しにお店に行って見ることにしたんだ。」
「アンタがバイト?まぁいいわ。何もしないよりはいいでしょうね、父さんも心配するから早めに帰ってきなさいね?」

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