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案内屋 〜アンナイヤ〜

第1章 きさらぎステーション 其ノ一

「うん。分かった。今は…えっと。」
凛丸は左腕の腕時計を見た。時刻は昼12:50。
「今、大体1時くらいだからまぁ遅くても4時か5時くらいには帰るよ。」

そう言って通話を切った。たわいも無い会話だった。
凛丸はもう一階分、階段を降りた。

冷たい空気が立ち込めた。ジメジメした空気も相変わらずだ。
そこには一つの鉄製のドアがあった。
ドアに張り付いている小さなプレートには一言、

「案内屋」

探していたそれは目の前だった。

「ここ…なのか?いいのかな?入っても…。」

普通はアルバイトの面接やら何やら、採用に関するイベントを行うならばアポを取るべきなのだが、あの募集広告には電話番号が載っていなかった。

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