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案内屋 〜アンナイヤ〜

第5章 きさらぎステーション 其ノ最終章

何も感じていなかった
これがいわゆる意識不明の感覚なのだろう
しかし、いい加減目が覚めて来た
瞼を上げよう

凛丸はそっと、目を開けた

だが、自分の状況は予想以上に絶望的であった。

装備…無線はおろか、隠し持っていたDCAすら奪われている。
手足は縛られ、柱に張り付け状態。どうやら、ここは例の牛頭村らしい
木造の暗い部屋の中、炉端の焚き火だけが部屋を照らす。

「ああ…捕まった…終わりだ…。」

凛丸は正直もう帰る気も助かる気も、あわよくば脱出する気も全て失せていた。
わけのわからない場所でわけのわからない奴に捕らえられ、存在しない村で張り付け状態。
ただ唯一の同行者も今は居ない
凛丸はもう絶望するしかない

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