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愛されたくて

第1章 大好きだったのに


私は散々思わせぶりな態度をとった後、ついに美佳と玲奈に告白した。


「私、柏 慎司くんと付き合う事になりました。」


その言葉は2人の耳元でひっそりと囁いた。何せ学年トップを争うイケメンのスキャンダルだ。いずれバレることはわかっていたけど、教室中がこの場で大パニックになるのは避けたかったからだ。


私は2人とも驚いて気絶しちゃうのではないかとすら思っていた。

でも二人の反応はちょっと違った。

美佳は一瞬固まって。

「・・・そっか、おめでと、千夏。柏くんってあの柏くん?・・・はは」

さっきの間はなんだろう?

「千夏も?おめでとう。」

玲奈も祝ってはくれたものの、なんだか様子が変だった。まるで何か考えているかのようだった。

このときの私は、玲奈がいった言葉の意味をよく考えておくべきだったと今になって思う。

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