
やっと、やっと…
第2章 幸せな毎日
バスケをしてたときは
まだ3時ぐらいだったのに
(まさか、
それまでずっとここに・・・?)
「いつからここに居てくれたの?」
圭介の腕の中で訊いた
「6限が終わってから」
(やっぱり、ずっと居てくれたんだ)
圭介の優しさに心が温かくなる
「ありがとう、圭介」
そう言って私は圭介の背中に腕を回す
圭介の腕にも力がこもる
「俺、唯に何かあると不安で、
心配で、どうしようもなくなるんだよ」
「・・・っ、大袈裟だよ」
「そんなことない。
それぐらい唯のこと大切なんだよ?」
そんなこと、痛いぐらいにわかる
こんなに強く優しく抱きしめるんだから
圭介は私を見つめる
「好きだよ唯、大好きだ」
トクンっ
普段は見せない圭介の
真剣な表情に胸が高鳴る
「唯は?」
「・・・っ私も、大好きだよ、圭介」
ギュッ
もう一度圭介は私を抱きしめた
「ねえ、唯・・・キスしたい」
ここは一応学校、だけど
カーテンで仕切られていて
周りからは見えない
先生もいない
「だめ?」
圭介は切なげな顔で、
俯く私を見る
「だめじゃ、ない・・・」
私の髪を掻き上げるように
私の顔を引き寄せ
唇を重ねた
あの日とはちがう
少し強引なキス
お互いの唇をついばむように
何度も唇を重ね合わせる
だんだん口づけは深くなり
圭介の舌が私の中に侵入してくる
「・・・んっ」
軽く私の舌を舐めたり
歯列をなぞったり
私の口の中を圭介の舌が犯していく
その度にいやらしい水音が
誰もいない保健室に響く
「・・・んっふぁ」
私からあられもない声が漏れてしまう
自分の声ではないようで
恥ずかしくて圭介の胸を押すが
そんな抵抗は簡単に腕の中に包まれてしまう
「唯、顔真っ赤だよ。可愛い・・・」
そう言って私の髪をなでる
「恥ずかしいよ・・・」
照れる私を見て
圭介はもう一度深くキスをした
私もそれに応えるように
キスを返す
幸せな、甘い時間だった
