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やっと、やっと…

第3章 小さな黒い点

あの日から私たちの仲は
より親密になっていた

ハグだってキスだって当たり前
圭介の優しいキス
それが幸せだった


―――・・

私は委員会を務めていた

「せんぱーい」

そう言って委員長の先輩を呼ぶのは同じ委員会でクラスメイトの大竹くん

「まだこれだけやることがあるんですけど・・」

今は午後4時半
下校時間は5時だ
明らかに30分では終わりそうにない

「あーそっかぁ
これじゃ下校時間まで間に合わないなあ
俺、延長の申請してくるわ
あ!残れる人だけでいいから
用事ある人は帰っても大丈夫だから!」

そういって先輩は先生の元へと向かった

(今日は圭介と帰る予定だったけど、仕方ないよね・・・)

携帯を家に置いてきてしまった私は、先輩が戻ってくると、先輩に一言告げ、直接このことを伝えるために圭介の元へ向かった

玄関に出ると
もうすでに制服に着替え
私を待つ圭介の姿がみえた

「圭介!」

「おー唯!委員会終わった?」

「ごめんっそれがやること多くて、今日は時間かかりそうだから一緒に帰れないの。ごめんね」

圭介は残念そうな顔をしている

「そっか、仕方ないね!委員会忙しそうだし」

「ごめんね。先帰ってて」

そう謝ると、
私の頭に大きな手をポンっとのせる

「いいって、じゃあ頑張れよ」

そう言って笑顔で優しく頭を撫でた

(圭介・・・)

優しい圭介にいつも支えられていた


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