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やっと、やっと…

第13章 命



私たちは着替えを終え、学校を出た






圭介には遥と香菜と帰ることを告げた
二人が近くに居るところで…



疑われるのを防ぐためだった




圭介は笑顔で了解してくれた











私はなるべく人通りの少ない道を選んだ






「それで話って?なにかあったの?」









香菜が心配そうに尋ねる









「長い話になるんだけど…」








私は打ち明けた



圭介と付き合い始めた頃のこと
圭介が変わり始めたこと
乱暴されたこと

智己のこと

圭介がまた現れたこと、
そして妊娠の可能性があること


全て話した





涙が出そうになるのをこらえながら話した





二人とも初めは驚いていたが、私の話す様子を見てか、真剣に聞いてくれた






「いろいろ辛かったんだね、我慢してたんだ」


「もっと早く無理やりにでも唯に
話させるべきだったね」




二人とも涙ぐみながらそう言った










涙が出た



辛かった、苦しかったんだと改めて感じ
それを誰かに言えたことで
いろいろな気持ちが溢れてきた







このまま家に帰れる状況でもなかったから

私達は遥の家でゆっくり話し合うことになった







「圭介くんに生理がこないことは話したの?」





「まだ話してないよ、親にも言えないし…」





「お姉さんには話せないの?」







「お姉ちゃんか…」





私には姉がいる


年の離れた姉で、結婚して子供もいる

どんな事でも話せる姉





「お姉ちゃんに相談してみようかな」





「それがいいと思うよ
私達にはできないこともあるから」





遥も香菜も真剣に相談に乗ってくれた

そしてこのことは決して他言はしないと、
約束してくれた





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