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やっと、やっと…

第13章 命

部活の時間も上の空で、
手に怪我をしてしまった










部活が終わり、保健室でテーピングと湿布をしてもらい、着替えるために更衣室へ向かう






「唯本当に大丈夫??
今日ずっとぼーっとしてるよ」


「まだ体調悪いんじゃない?」




すでに更衣室で着替え始めていた遥と香菜が声をかけてくれる








(話すなら、このタイミングかもしれない)









私は決意した



もう話してしまおう
この二人なら信用できる






「話したいことがあるんだけど、
帰り時間ある??」






私の真剣な問いかけに、空気が変わる








「私は大丈夫だけど…」


遥が驚いた様子で言う






「私も大丈夫!」



香菜は家が遠くバスで登下校しているのに、
なんとかしてくれると言う





「ありがとう、二人とも」





まだ話をしたわけではないのに、
二人が話を聞いてくれると快く言ってくれたこと、
一人で抱えていたものを発散できるということから胸につかえていたものが少し外れたように軽くなった



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