
やっと、やっと…
第15章 8年後…
未来と別れ、家までの道をゆっくりと歩く
私は智己のことを考えながら歩いた
今はどこで何をしているんだろう
東京のどこかで働いているのだろうか
彼女はいるのかな
もしかしたら…
もしかしたら、結婚しているかもしれない
(また、会いたいな…)
今ならあの頃のことを
いい思い出として話せるかもしれない
後ろめたい気持ちも忘れて
笑い合えるかもしれない
いや、どうだろうか
今でも私のことを思い出したくはない
思い出のように思っているかもしれない
それでも、考えれば考えるほど
私は智己に会いたくなった
好きな気持ちは大きくなった
