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やっと、やっと…

第16章 再会、そして



土曜日の夕方ということもあり、
飲食店の立ち並ぶ駅前は沢山の人で溢れかえっていた



待ち合わせ場所に着くと、時間は18時45分
15分も早く着いてしまった


しばらくの間、携帯を見たり
ビルのモニターの広告を眺める










「…唯?」







駅の方向から私を呼ぶ声がした




そちらを向くと、
智己が小走りで向かってくる






「智己!」






こうしてまた会えたことの喜びで
胸が高鳴る




「ごめん、待たせたね」



少し息を弾ませて智己は眉を下げた

少しは待ったけど、
まだ時間は18時50分


智己も時間より早く着いていた



「ううん、待ってないよ

早く来すぎちゃったから」



智己はノーカラーのシャツに
黒のゆったりしたスラックス


相変わらず背も高いしスタイルも良い
大人になった智己は
本当に素敵で格好よかった


2人並んでお店までの道を歩く




「…ほんと、綺麗になったな」





ボソッと智己が呟く





智己の言葉に
顔が熱く、鼓動が速くなる





何も言えず智己の方を見上げると

私の視線に気づいて
こちらを見る


目が合うと微笑んでくれた

少し照れているのか
すぐに目を逸らしてしまう



なんだか気恥ずかしい雰囲気のまま
お店の前へに着いたので
個室へと案内された




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