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花は月明かりに濡れて~四つの恋の花~

第3章 春の夢 参

 たとえ女が自分を一夜限り、良人の身代わりとして利用したのだとしても、恋に落ち惚れたのは自分なのだから。そんな女を、ただふしだらな女と軽蔑し、さっさと忘れることもできたはずなのに、忘れようとしなかった、否、いかにしても忘れられなかったのは他ならぬ自分自身のせいなのだから。

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