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花は月明かりに濡れて~四つの恋の花~

第3章 春の夢 参

「お前は俺がそんな男だと思っていたのか! 金さえ与えて黙らせておけば、てっとり早く後くされなく相手にできるような、そんな類の男だと」
 あまりの屈辱と怒りに、清七は眼前が真っ白になるようだった。
「俺はお前とのことを金で片をつけようなんて、思っちゃあいねえよ」
 吐き捨てるように言った清七を、お須万は怯えを宿した眼で見上げた。

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