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花は月明かりに濡れて~四つの恋の花~

第4章 春の夢 四

美人で評判の内儀と伊勢屋の身代の両方を一度に手に入れる実に幸運なその男は、伊勢屋で長年番頭を務め上げてきた嘉一という男だ。内儀よりは三つ年上の二十四、これがまた、なかなかの良い男だが、滅法お堅くて上に何とかがつくほどの忠義者、これまで女には見向きもしなかったような男だというじゃねェか。さて、一体、どうして突然、この真面目一途な番頭と評判の美人内儀の仲が訳ありにまで発展したのか。その深~え経緯(いきさつ)を知りたけりゃア、一枚、買った、買った!!」

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