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花は月明かりに濡れて~四つの恋の花~

第4章 春の夢 四

 町人町の四ツ辻で大声を上げていた瓦版売りから一枚買い求め、清七は長屋に帰り着いてから貪るようにその記事を読んだ。くしゃくしゃにして懐にねじ込んでいた瓦版をひろげるのさえもどかしく、震える手でひろげ、最初からしまいまで一文字一文字洩らさずにすべて読んだ。

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