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花は月明かりに濡れて~四つの恋の花~

第2章 春の夢 弐

「いや、並の女では到底、ここまではできないことですよ。マ、もっとも、そうやって謙遜するお須万さんだからこそ、我々も何とかして力をお貸ししなければと思ったのでしょうよ。それこそ鼻っ柱の強い勝ち気なだけの女ならば、勝手にやれとそっぽを向いたかもしれませんからな」
 信濃屋は鷹揚に言って笑い、頭を下げた。

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