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存在しない猫

第1章 傷

外に出れば汚いものを見るような目で見られた
そうね、だって私は汚いんだもの

酷く扱われ体も心も傷だらけだった
戻る場所に戻ればいらないと言われた
捨てられて独りになった

寒く苦しい時は腕を噛んだ
襲ってくるものからは醜い姿を晒してでも逃げた
自分で自分を傷つけた

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