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甘い蜜の―――……虜。

第2章 初めての一人暮らし。

『もういい!そんなにこの家が嫌なら、出て行きなさい!』


『分かったよ!こんな家にいるくらいなら出てった方がマシだ!』


―――親と喧嘩なんか、今まで数えきれないくらいしてきた。

もう出ていってくれ。

何度も言われた。

そんな五月蝿い家族から開放

されたくて、俺は家を飛び出した。


飛び出したっつっても金なんか

ロクになくって、高いマンション

なんか到底無理だった。

そして、安いアパートを見つけた。

バイトしながらなら、何とか暮らしていける。

誰にも縛られないで、俺1人で。

俺1人の世界を、作っていける。

そう、感じた。



まさか、あんなことになるなんて……思いも、しなかった。

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