テキストサイズ

秘密の約束

第29章 春休み

それからわたしは、先生と全く話さなくなった。

再試も、1度も目を合わすことがなかった。

そうやって、どんどん月日は経ち…
わたしは高校1年生の過程を全て終えた。

高校2年の選択科目では、数学も化学も生物もとらず文系の科目をとった。

これで、完全に大場先生とはおさらばだ。
来年度も引き続き、大場先生が教務の先生であれば少しは関わる機会があるかもしれない。
けれど、それ以外は本当になくなる。

わたしと大場先生の距離は、ますます開くばかりだ。

(そもそも、先生と教師がこんな関係になること自体、間違っていたんだ…。)

自分がとった行動にすら自信が持てなくなっていた。

今回の件はわたしにも非がある、けれど先生にだって全く非がなかったわけではない。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ