
痛彼
第18章 恋を語る~奏太~
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俺は、大学の構内でアイツを見かけた。
「あっ…」
つい声を出してしまう。
「おいおい奏太~誰見てんの?
あっ!!!もしや2年の葵ちゃん?!」
俺の肩を慣れなれしく組むのは、
名前は…えっと、俺は卓也と呼んでる。
慣れなれしく触ってんじゃねえよ、害悪が。
…まあ、吐き気を押さえて表向きの顔で対応する
「あの子のこと知ってるの?」
「え?葵ちゃん知らないの!?
大学の人気投票では常に一位で、ミスコンは断る謙虚ぶり!!
大学のアイドルとは葵ちゃんだ!!」
へぇー、必要以上のことは覚えないから知らなかった。
「もしや奏太、葵ちゃん狙ってる?
それなら絶対ダメだぞ~!!!」
狙ってないんだが・・・
でも、ちょっと気になるから
「なんで?」
「葵ちゃんは…あの大西と噂があるからさ!!」
「大西?大西って…あの大西?」
あの俺に無駄に絡んでくる、害悪?
想像しただけで吐き気が…
「うん、あの大西だ。
奏太なんか顔色悪いぞ?平気か?」
「ああ、平気だ。」
なんか凄いイライラする。
大西のこと思い出したからか?
「じゃあ俺、次取ってるから行くわ!じゃあな!!」
「おう、じゃあな。」
