なんだかんだ
第2章 呼び名
「み、今度の日曜ってヒマ?」
「暇じゃない」
「んじゃ、買い物付き合ってよ。み」
「暇じゃないってば」
「午前中がいいかな。十時にみの部屋まで迎えに行くよ」
「暇じゃないので、お迎えはいりません」
「買い物の後で昼メシするか。みは何食べたい?」
「…さっきから“み”って何?」
「何って、深紀の“み”に決まってるだろ」
「…決まってません。略さないでください」
「えー、」
「えー、じゃないでしょ。一字で呼ばれたの、初めてだわ」
「初めて…ってなんかエロい響き。キャー!」
「…ばか」
「ばかって言うな。生まれは鎌倉、育ちは神戸。十四歳の夏に石場に越して来て、オシャレで心優しい俺様と運命的な出会いをした眉目麗しい神田深紀お嬢様」
「ごめん…、ツッコミどころが多過ぎて処理し切れない」
「えー、処理してよ。ついでに俺のかはんし…いぃっ」
「それ以上言ったら、殴る」
「蹴る前にも忠告をください」
「…蹴ったよ?」
「…う、うん、知ってる」
「暇じゃない」
「んじゃ、買い物付き合ってよ。み」
「暇じゃないってば」
「午前中がいいかな。十時にみの部屋まで迎えに行くよ」
「暇じゃないので、お迎えはいりません」
「買い物の後で昼メシするか。みは何食べたい?」
「…さっきから“み”って何?」
「何って、深紀の“み”に決まってるだろ」
「…決まってません。略さないでください」
「えー、」
「えー、じゃないでしょ。一字で呼ばれたの、初めてだわ」
「初めて…ってなんかエロい響き。キャー!」
「…ばか」
「ばかって言うな。生まれは鎌倉、育ちは神戸。十四歳の夏に石場に越して来て、オシャレで心優しい俺様と運命的な出会いをした眉目麗しい神田深紀お嬢様」
「ごめん…、ツッコミどころが多過ぎて処理し切れない」
「えー、処理してよ。ついでに俺のかはんし…いぃっ」
「それ以上言ったら、殴る」
「蹴る前にも忠告をください」
「…蹴ったよ?」
「…う、うん、知ってる」