陽が当たらない場所で
第7章 見上げたら
校門を過ぎ、下駄箱に靴を入れた。
「ん…んッ…!そこ、痛いよぉ…」
「?!!」
3年生の方の下駄箱から
何か声が聞こえた。
え、あ…なに…この声…?
え?本当になにやってんの…?
なんで苦しそうなの…?
「んッ…んぁっ!痛いよ、ソコ…」
「声でけぇよ…もう少し静かにしろよ、すぐ終わるから」
どうやら男女の先輩が何かしているようだ。
え…?え、え、え…?
私は、1つ思い浮かんだが
さすがにこれは…と思い、
考えを止めた。
私は、下駄箱から走って
教室に向かった。
朝だよ…!なにしてんのッ…!!
タタタッと私の足音が響いた。
「…誰かいたの…?」
「…2年みたいだな。
よし、これでいいだろ…」
「ごめんねー。ありがとうー」
「全く…朝一から怪我してんじゃねーよ」
「あはは。気を付けますっ」
「でも、膝の所、まだ痛そうだな」
「いや〜大丈夫!
さすがサッカー部だね!
怪我の手当て上手いね〜」
「誉めても何にも出ねーから」
「あははっ♪」
「俺が通らなかったら、
お前、やばかったな」
「そーですねー。とりまありがと」
加奈の去った下駄箱には
そんな会話があった。