テキストサイズ

それでも私はここにいる

第96章 記念日

11年前…
日差しが柔らかな春の日
私は君を産みました
何年も何年も
君に会えるのを待っていた
モニターで初めて見た
お腹に宿った君
あの感動
あの喜び
忘れない
君を見たとき
涙が出た
君を抱いたとき
涙が出た
君がいたから
母になれた
君のおかげで
母になれたんだよ

生まれた君は
成長が遅くって
3年たってもなかなかママと言ってくれなかった
正直自信が無くなった
でもゆっくり言える様になって
周りと比べると遅かったけど
何とか今日までやってこれた
おじいさんの介護の時は淋しい思いをさせたね
でも君なりに母さんを支えてくれた…
だから頑張れた
ありがとう
お母さんにしてくれて
ありがとう
いつも君に高望みをしちゃう…
でもね
君のペースでいいんだよ
まだまだお互い11年
戸惑う事も歩けれど
家族みんなで
歩いて行こう
今日は二人の記念日です
生まれてくれて
ありがとう
いつか君から
産んでくれてありがとう
言ってもらうのが
私の夢

ストーリーメニュー

TOPTOPへ