テキストサイズ

それでも私はここにいる

第245章 つめたい

冷たい…手
徐々に温もりを失う
その手を握る
冷えた手は力無く
私の手のひらに乗る
私はあの頃の
温もりを確かめようと
擦る様に温める
しわしわの手
痩せてほっそりとした手
もう戻らない
そう感じながら
私は祈る
あの頃のように
微笑みながら
また握り返して?
温もりは戻らない
今は
冷たくなった手を
痛くないように
判るように
優しく
優しく
握る

ストーリーメニュー

TOPTOPへ