
残業・メモ子
第31章 迂回
「…勘違いするなよ…メモ子さん…
影男の様子がおかしいから…
無理矢理聞き出そうとしたんだけど…
影男は…最後まて…言わなかったよ――――…
このメモ帳も、メモ子さんの事も…秘密にしてた…」
『じゅあ…何で!』
「朝、こそこそ、オブジェの後ろに行く…影男を不思議に思ったんだよ……
で……帰りに…オブジェを見たら……このメモ帳を発見したって訳…」
『…え…じゃ……影男は…別にいる?』
私は…睨んでいた目を…ふっと…緩めた…
「ああ…いるよ――――…ちゃんと、秘密を守って…
影男も…メモ子さんを探してる…」
『……ウソ…』
気持ちが…ふわっとした…
しかし…不思議な男…藤原…
藤原は、パラパラとメモ帳を見て……最後の自分のページで…固まった…
「……やっぱ…見てたんだ…」
