幼馴染
第1章 同窓会にて。
私は先ほどの電話で、今日入っていた仕事が急にキャンセルになり、家でゆっくりしようとしていた。
だが、そんな考えは彼によって無駄になって行く。
「仕事なくなったんなら、同窓会行こうぜ!」
といって、私の腕を引っ張る。
「ちょ…!ま、まってって…!!」
なんて言葉も聞かず、あっという間にタクシーに放り込まれた。
「折角みんなに会える機会できたのに、家で過ごすなんてもったいないだろ?俺様がお前を連れてってやるよ。」
いかにも上から目線の発言をして来る。
内心イライラしつつもなんとか抑える。
「てか私、部屋着のままなんだけど。」
自分の服をみながら私は言った。
「んなもん、行く途中の店で買えばいいだろ?お金は俺が出すからさー。」
この発言からして
どうやら私はもう逃げることは不可能なようだ。
この
俺様で
上から目線で
キザなセリフをためらいなく言う、
とてもムカつく奴。
でも
昔から彼のことはよく知ってるから
憎めない。
彼はそんな私の、たった一人の
幼馴染なのです。