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紅姫と黒猫の夜

第1章 悩み


「おいババァ、新しい魔法の鍛錬付き合え。どーせ暇なんだろ?」

早朝。朝餉の済んだすぐ後の時間のことだった。

城の廊下を歩く紅玉に話しかけたのは、足元までの長い黒髪を持つこの国の神官。

マギのジュダルであった。

「っ、……遠慮しておくわぁ。今日は鍛錬という気分でもないのよぉ。」

(またか……)とジュダルは思う。

(はぁ…シンドリアから戻ってから、ずっとこうじゃねぇか。ちっ、くそだりぃ…)

ジュダルは不機嫌であった。

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