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紅姫と黒猫の夜

第1章 悩み

小さい頃から一緒に城内を駆け回って遊んだ紅玉。

成長して武術に秀で、迷宮攻略も果たした彼女とは、最近ではよく一緒に鍛錬もしていた。

しかし。

この煌帝国の第四皇子、白龍とともにシンドリアへ行った後から、自分のことを全く相手にしてくれなくなった。

美容と武術の話にだけは、どんな時でも食いついてきたくせに、今では鍛錬に誘っても、困ったような微笑みを見せて断られるのだ。

気分が良いわけがない。

(……あーあ、紅玉が駄目となると、やっぱ白龍かなぁ…本当は紅炎が良いけど……あいつナントカナントカ総督ってので忙しいしな…あ、紅覇でも良いか……)

考え事をしているうちに、時刻は昼をすぎていた。

(あ、また昼飯さぼっちまった…)

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