紅姫と黒猫の夜
第1章 悩み
どうもそれが気にかかる。
紅玉の部屋の明かりはもう消えていた。
紅覇とのお茶が終わったようだ。
なんだか今日は気づかないうちに時間がたってることが多い気がする。
(紅玉、大丈夫なのか?………なんだよ、俺、紅玉のことばっかりじゃねぇか……?んっ!?あ、誰だよ!)
突然背後から何か薬を染み込ませた布を口に当てられ、意識が薄くなる。
(うそ、だろ………こんな、かん、たん、に………)
ドサッ
ジュダルはそのまま地面に倒れた。
その身体を重そうに抱え上げる人影があった。