紅姫と黒猫の夜
第2章 真実
「嘘、だろ………あ”あ”あ”あ”ぁぁぁ!
も、最悪だ…」
(嘘だろ……まぁ紅玉にはバレてないらしいけどよ……ん?)
そういえば、とジュダルは思う。
まだここに呼ばれた理由を聞けずにいることに気づく。
「なぁ、俺にそれを自覚させるためにわざわざ気絶させてここまで運んだ…………ってわけじゃねぇんだろ?」
「ジュダルくんにはね、頼みごとがあるの。そーでもなきゃなんで僕がジュダルくんなんて運ぶわけないしィ。」
(そりゃそーだよな……こいつ、ちっせーし。)
ジュダルは紅覇を見る。
その目は、紅覇の頼み事に対する了承の色をちらつかせていた。