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紅姫と黒猫の夜

第1章 悩み


紅覇は色恋に悩む妹に呆れかえっていた。

(はぁ…やっぱいつまでたっても馬鹿だなぁ…紅玉は。)

「お兄様、ちゃんと聞いてらっしゃる?」

紅覇が上の空なことに気がついたのか、紅玉が訪ねてくる。

「もぅ、やだなぁ…ちゃんと聞いてるしィ」

「そう?あのね、シンドバッド様はね……」

ハァ…

と紅覇はため息をもらす。

(紅玉なら、そんな叶わぬ恋をするより、すぐ近くに紅玉のこと大好きなヤツがいるのにィ…)

紅覇は、紅玉の部屋に来る途中に出会った青年のことを思い出していた。

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