紅姫と黒猫の夜
第1章 悩み
一緒に鍛錬をしているときも、憎まれ口をたたきながら紅玉を愛しそうに見つめる。
紅玉が手料理を作った時は、まずい、と言いながらも大切そうに食べる。
紅玉がバルバット国王に嫁に出されることになったときは、皇帝に謁見までして引き留めようとし、それが叶わずとも《そいつがどんな男かわかるまでは俺も帰らねぇ》とまで言った。
そして果てには、兄弟姉妹の中で一番仲の良い紅覇が紅玉にベタベタしているのを見るだけで、兄弟で不謹慎だ、なんて事まで言う。
(すれ違ったりするたびに紅玉に絡むし、僕まで紅玉に近寄らせてくんないしィ……これで好きじゃないって言うほうがどうかしてるよぉ……)