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紅姫と黒猫の夜

第14章 婚約


どよっ!

部屋がざわつく。

膝を折る。

ましてや頭を下げて敬語を使うことなど普段は絶対にない。

どのような願いなのかと、皆が息を呑んで見つめた。





「俺に貴帝国が姫君、練 紅玉を妻にください。」

(ジュダルちゃんっ……!?)

長い沈黙が続いた。

紅玉は、紅徳からどんな怒声がとんでくるかと、反射的に身構えた。




…しかし

紅徳はにこりと笑うとこういった。

「良かろう。私もお前になら、紅玉を安心して託せる。」

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