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紅姫と黒猫の夜

第15章 半年

そしてそれから半年が過ぎた。

煌帝国の祝言には、白いベールも、誓いのキスもないけれど、紅玉にとって、とてもとても幸せな時間だった。

そうして婚約したのが半年前。

正式に結婚した今日、私たち二人は、城の中に二人だけの住まいを構える事となった。

新築の離れ。

そこに、今日から暮らすことになるのだ。

と、いっても、実際には今までの生活とさして変わらない。

廊下は、皇族の人間や、銀行屋、女官が行き交う。

違う事と言えば、ジュダルと紅玉、それぞれの寝所があるほかに、二人ひとつの寝所があることだ。

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